《OAM(大口式)インプラントシステムとは》
骨を出来るだけ削らずにインプラント窩を形成するために開発された専用器具機材と関連器具機材、それを使用したインプラント窩形成手術法の全体の構成を指します。
《OAMとは》
Ohguchi(人名)
Agmetation(増生)
Method(方法)
のそれぞれの頭文字の略語です。
人名の「O」は岐阜県と愛知県で開業している歯科医師の大口弘先生の頭文字です。
【大口弘先生プロフィール】
・岐阜県生まれ
・岐阜県立岐阜高校卒業
・東京歯科大学卒業
・名古屋市立大学医学部大学院卒業(博士課程)
・医学博士
すなわち、大口弘先生によって考案、開発された骨を拡げるインプラントの手術方法という意味です。
《術手順》
➀骨頂部皮質骨の穿孔
②リーマー、ファイルによるボーンサンディング
③オーギュメーターで皮質骨の拡大、海綿骨のコンデンス
④順次拡大
⑤各社指定の最終ドリル直径と同サイズのオーギュメーターまで使用して拡大
⑥所定のヒーリング期間後にアバットメント、上部構造装着
《GBR症例にも有利なOAMインプラント法》
OAMインプラント法では骨をマイクロフラクチャーさせながら骨幅拡大、インプラント窩形成を行います。
■マイクロフラクチャーされた骨の骨折治癒過程
1.血腫が形成され、骨折修復のため骨折部周辺の骨膜由来の細胞が骨形成因子を発現する。
2.血管内皮細胞増殖因子や他のサイトカイン・ケモカインが、血腫の吸収と並行して毛細血管が新生され線維芽細胞様の間葉系細胞が増殖し肉芽組織が形成される。
3.その後、仮骨が形成され骨組織に置換。
意図的に骨にマイクロフラクチャーを発生させてその表面に多孔質な人工骨を設置することで気孔部分に骨誘導能のある海綿骨や血液が侵入して骨に置換しやすい環境を作ります。
《動画のご紹介》
OAMインプラントシステムを使用したデモ動画、ダイジェスト版はこちらからご視聴いただけます。
《専用器具のご紹介》
【オーギュメーター】
インプラント窩を形成するための専用器具です。手指によるインプラント窩形成は歯内療法のリーマーのようなツールと使用方法によって安全にインプラント窩を形成することができます。
オーギュメーターには刃やヤスリのような切削をするための機能がありません。したがって、解剖的にリスクのある領域においても重篤な被害を未然に防止することができるとともに、骨を最大限温存しながらインプラントを植立できることで、歯科医師、患者双方にメリットのある手術方法をご提案、ご提供しています。
■仕様
前歯部用オーギュメーターセット(ストレートタイプ)
臼歯部用オーギュメーターセット(アングルタイプ)
■適用範囲
前歯部用オーギュメーターセット(ストレートタイプ):上顎前歯~上顎第二小臼、下顎前歯~下顎第一小臼歯
臼歯部用オーギュメーターセット(アングルタイプ):上下顎前歯部~臼歯部全顎
(↓)は臼歯部用オーギュメーターを使用して下顎第一大臼歯部にインプラント窩を形成中のオペ動画です。(※)
手指のみでおこなう手術法にも関わらず無駄な力を要することなく目的とした骨幅を獲得することができます。歯科特有のドリル音や振動がないため患者さんには心地よく、術者は安全にオペを行える安心感があります。
※オペ動画提供:鈴木光雄先生/デンタルデザインクリニック(東京都青山)
前歯部用オーギュメーターセット(ストレートタイプ)
■φ0.5mm~φ3.6mm
オーギュメーター前歯部セット(16本組)※標準セット
【標準セットのサイズ構成】
φ0.5mm φ0.7mm φ0.9mm φ1.2mm φ1.4mm φ1.6mm φ1.8mm φ2.0mm φ2.2mm φ2.4mm φ2.6mm φ2.8mm φ3.0mm φ3.2mm φ3.4mm φ3.6mm
【オプションサイズ】
φ3.8mm φ4.0mm
臼歯部用オーギュメーターセット(アングルタイプ)
■専用滅菌ケースに収納した画像(8本)
■オーギュメーターφ4.0mm
オーギュメーター臼歯部セット(16本組)※標準セット
【標準セットのサイズ構成】
オーギュメーターφ0.8mmのテーパードタイプ(※)
φ1.2mm φ1.4mm φ1.6mm φ1.8mm φ2.0mm φ2.2mm φ2.4mm φ2.6mm φ2.8mm φ3.0mm φ3.2mm φ3.4mm φ3.6mm φ3.8mm φ4.0mm
【オプションサイズ】
φ4.2mm φ4.4mm
φ4.6mm以上をご希望の場合は特注品となりますのでご相談ください。
■オーギュメーターφ0.8mmのテーパードタイプ(※)
※テーパードタイプのメリット
■φ0.5mm、φ0.7mm、φ0.9mmの3工程をφ0.8mmの1工程で賄えます。
■先端から10mmの部分の直径サイズは1.0mmとなり、次のサイズφ1.2mmも含めてオーギュメーターのサイズアップ量は0.2mmになりました。
■0.5、0.7、0.9はワイヤークラスプよりも細いサイズのため曲がる恐れがありましたが曲がりやすいネック部が太くすることが出来ためそのリスクが軽減されました。ただし、無理な力は使わないようご注意ください。
旧タイプをご利用の方はユーザー再販価格にてお買い求めいただけます。詳細につきましてはお問合せ下さい。
OAMボーンスリッター
■専用滅菌ケースに収納した画像(9本)
OAMボーンスリッターセット(9本組)
【用途】
皮質骨が硬く厚い場合や狭窄骨において頬側(唇側)と舌側(口蓋側)の皮質骨と皮質骨の間の海綿骨に滑り込ませるように骨を切るためのツールです。マレッティングをすることなく海綿骨内に滑り込ませることで患者の不快感の軽減と打撃による骨の裂開を防止することが出来ます。
ボーンスリッターを使用することでオーギュメーターを骨内にスムーズに挿入できるため裂開の防止のほか、超狭窄骨への適用範囲が広がります。
■片刃タイプ(インジケーター面を唇・頬側に向けて使用)
ボーンスリッターは片刃仕様です。舌側皮質骨内面に沿うように骨内に切り込むことで頬側へ骨をやや拡げます。拡げた部分にオーギュメーターを挿入してサイズアップを繰り返すことで必要量の骨幅拡大を行います。さらに拡げたい場合にはボーンスリッターⅡをご利用ください。
【サイズ構成/商品構成】
右上顎・左下顎を兼用でご利用いただけるアングルタイプ(臼歯部用)幅4.0、6.0、8.0mm 計3本
右下顎・左上顎を兼用でご利用いただけるアングルタイプ(臼歯部用)幅4.0、6.0、8.0mm 計3本
上下顎の前歯部でご利用いただけるストーレートタイプ(前歯部用)幅4.0、6.0、8.0mm 計3本
滅菌ケース 1箱
OAMボーンスリッターⅡ
■専用滅菌ケースに収納した画像(10本) ※1.4mm×2本が無いバージョン
OAMボーンスリッターⅡセット(12本組)
【用途】
少数歯中間欠損症例の場合に有効な厚みが増すボーンスリッターです。
特に1歯欠損症例では骨頂部への近遠心方向への溝の形成量が少なく拡大時に裂開するリスクが高くなります。ボーンスリッターⅡには推進力と拡大効果を持たせて抜歯窩様のインプラント窩を設けてからオーギュメーターで必要な大きさのインプラント窩を形成することで対応できるようにいたしました。
推進力≒スリッターの刃先
拡大効果≒厚みのあるボーンスリッター(厚み:1.0mm、1.4mm、1.8mm、2.2mm、2.6mm、3.0mm)
■厚み刃先 ※全サイズともに幅は1.4mm
【サイズ構成/商品構成】
右上顎・左下顎を兼用でご利用いただけるアングルタイプ(臼歯部用)厚み1.0、1.4、1.8、2.2、2.6、3.0mm 計6本
右下顎・左上顎を兼用でご利用いただけるアングルタイプ(臼歯部用)厚み1.0、1.4、1.8、2.2、2.6、3.0mm 計6本
滅菌ケース 1箱
■厚み(左から3.0mm、2.6mm、2.2mm、1.8mm、1.4mm、1.0mm)
【ご注意】
OAMボーンスリッターを所有されている方は厚み1.4mm(×2)を省いたセットでお買い求めいただけます。
右上顎・左下顎を兼用でご利用いただけるアングルタイプ(臼歯部用)厚み1.0、1.8、2.2、2.6、3.0mm 計6本
右下顎・左上顎を兼用でご利用いただけるアングルタイプ(臼歯部用)厚み1.0、1.8、2.2、2.6、3.0mm 計6本
オーギュシューター
■オーギュシューター5本組セット
【用途】
手指によるオーギュシューター使用時に突き進まなくなった場合に使用する削合可能なツール。ただし、ドリルのような刃が付与されていないため、オーギュメーターのようにコンデンス効果、拡大効果(※)も期待できます。
オーギュメーターと削合ツールを組合わせるハイブリッド法やオーギュメーターでインプラント窩形成後の先端部形成用としてご利用ください。
※拡大の場合の適用症例は上顎前歯部に限ります。
【サイズ構成/商品構成】
オーギュシューターφ2.0mm、2.4mm、2.8mm、3.2mm、3.6mm 計5本
専用ハンドツール 1個
専用スタンド 1個
■オーギュシューターφ2.0mm
■オーギュシューターφ3.6mm
【推奨回転数】
30~50回転~/分
OAMサポートドリル
■OAMサポートドリル先端部
■全体画像1
■全体画像2
【用途】
オーギュメーターで目的の深度まで形成できない時の対処法“ハイブリッド法”用ツールとしてご利用ください。オーギュシューターと同様、 拡大した骨頂部を飛ばすことなくインプラント窩先端を削合するために先端部のみにクロスさせたブレードを付与しました。
形成時のスタックを防止することが出来るようにドリル側面に細長く浅めの縦溝を付与してあります。※溝幅:約0.3mm、溝深:約0.2mm
ハイブリッド法用ツールとしてはオーギュシューターがありますが骨のコンデンスも兼ねているため削合力がサポートドリルに比較して小さくなります。オーギュシューターで削合できないような硬い骨を削る場合にはOAMサポートドリルをご利用ください。
【サイズ】
OAMサポートドリル 直径2.4mm
OAMサポートドリル 直径2.8mm
OAMサポートドリル 直径3.2mm
【推奨回転数】
30~50回転~/分
ジグリングオステオトーム
■専用滅菌ケースに収納した画像(5本)
ジグリングオステオトームセット(5本組)
【用途】
マレッティングをしないソケットリフト法としてソケットリーマーなどのリフティングドリルと組合せ使用するオステオトームです。
ジグリングしながら洞低皮質骨、洞粘膜を挙上するためのに鈴木光雄先生が考案、開発した製品です。
オーギュメーターのアングルタイプの先端部分を丸く砲弾型にして、ソケットリフト時にコンデンスと洞粘膜の挙上に使用できるようにいたしました。
ボーンコンデンス効果も得られるため、脆弱な骨質のソケットリフト症例の場合にも骨質改善と挙上が同時に行えます。
【サイズ構成/商品構成】
ジグリングオステオトームφ2.0mm、φ2.4mm、φ2.8mm、φ3.2mm、φ3.6mm 計5本
滅菌ケース 1箱
■ジグリングオステオトームφ2.4mm
■ジグリングオステオトームφ3.2mm
【ジグリングオステオトームテクニックの術手順】
(1)オーギュメーターの2.4mmもしくは2.6mmまででコンデンスもしくは拡大をしながらインプラント窩形成を行います。この時、骨頂部から洞低皮質骨までの距離から0.5~1.0mmアンダーにしてインジケーターもしくはストッパーを設定します。
(2)ソケットリーマーφ2.5mmで洞低皮質骨を打ち抜きます。この時、骨頂部から洞低皮質骨までの距離よりも0.5~1.0mm長く金属ストッパーを設定します。
(3)ジグリングオステオトームφ2.0で洞低皮質に対してジグリングしながら挙上します。この時、埋入するフィクスチャー長と同じ長さにインジケーターもしくはストッパーを設定します。
(4)埋入するフィクスチャー径、骨質に併せてジグリングオステオトームの直径を選択してインプラント窩を形成します。
(5)埋入
ソケットリーマー
■専用滅菌ケースに収納した画像
【用途】
ソケットリフト時の洞底皮質骨穿孔、洞粘膜の挙上、骨補填材の洞内への充填。
通常のドリルのスパイラル方向と逆方向に付与されているため先端部で削合した骨をドリル先端方向へ切削片を押し出す効果があります。先端部と洞粘膜間で切削片がクッションとなり洞粘膜を傷つけることなく挙上することができます。また、切削片同様に形成したインプラント窩に充填した骨補填材を洞内に押し込むことができます。
■先端画像1
■先端画像2
【サイズ構成/商品構成】
ソケットリーマーφ2.5mm、φ3.0mm、φ3.5mm、φ4.0mm(計4個)
ハンドドライバー 1個
収納ケース(オートクレーブ可)1個
【推奨回転数】
骨補填材の充填時:20~30回転~/分
洞低皮質骨の穿孔時:35~50回転~/分
マイクロイニシャルバー
■#1、#2、#3の画像
【用途】
起始点形成用の極細バーです。開墾テクニック、ポーラステクニックにも応用できます。
【サイズ】
マイクロイニシャルバー#1 直径0.7mm
マイクロイニシャルバー#2 直径0.9mm
マイクロイニシャルバー#3 直径1.2mm
■マイクロイニシャルバー#2 直径0.9mm
■マイクロイニシャルバー#2 直径1.2mm
【推奨回転数】
1200回転~/分
ダイヤモンドソーカッター
■画像
【用途】
骨頂部の近遠心溝形成用ダイアモンドソーカッターです。(※)
鋸状の円盤にダイアモンド粒子をコーティングしました。ディスクに丸い穴を設けて肉抜きをすることでブレと摩擦を軽減することで骨面に噛みこむことがほとんどありません。インプラントモーターで使用でご利用ください。
■全体画像
【用途】
プレスリッティングテクニック
【仕様】
直径7.0mm(軸径2.0mm) 厚み0.25mm コントラ用
【推奨回転数】
750回転~/分
オクトパス2
【用途】
簡易型のステントです。
起始点位置確認、形成途中のインプラント間の距離、隣在歯との距離を簡単に計測するためのツールです。
使用方法解説動画
使用中の画像は「エイペックスメディカ通販」サイトにてご覧いただけます。
オーギュメーター専用インジケーター(細径タイプ)
■生体シリコン細径用
【用途】
耐熱性の生体シリコンのインジケーターです。(オートクレーブ可能)
オーギュメーターの他、マイクロイニシャルバーなどの切削回転ツールにも使用できます。
細径タイプの場合には直径2.0mmまで対応します。
■マイクロイニシャルバーに装着した画像
オーギュメーター専用インジケーター(太径タイプ)
■生体シリコン太径用
【用途】
耐熱性の生体シリコンのインジケーターです。(オートクレーブ可能)
オーギュメーター、ソケットリーマー、オーギュシューターの他、ツイストドリルなどの切削回転ツールにも使用できます。
細径タイプの場合には直径2.2mm以上に対応します。※最大径5.2mmまでは対応確認済
■オーギュメーターに装着した画像
金属製オーギュメーター専用ストッパー
【用途】
オーギュメーター、ジグリングオステオトーム、オーギュシューター、OAMサポートドリル使用時の金属製ストッパー。
【適用サイズ】
金属ストッパー(内寸1.6mmタイプ):φ1.0~φ1.6mmまで
金属ストッパー(内寸2.4mmタイプ):φ1.8~φ2.4mmまで
金属ストッパー(内寸3.2mmタイプ):φ2.6~φ3.2mmまで
金属ストッパー(内寸4.0mmタイプ):φ3.4~φ4.0mmまで
【商品の価格、購入方法につきまして】
商品の価格、購入方法につきましては「エイペックスメディカ通販」サイトにてご覧いただけます。
また、OAMインプラントシステムを使用した症例につきましては下記にございますメールフォーム、お電話、FAXにてご用命ください。
なお、ご購入は歯科医師、歯科技工士の方に限ります。